今中国では、素人の動画が非常に人気があります。昨年5月、河南省のトラックの運転手が初めて中国の大手動画サイト「bilibili」に投稿した動画「田舎お兄さんの朝食」がいきなり100万回以上再生されました。彼の動画は大体輸送途中の休憩時にスマホで撮っています。彼の食事は仕事の性質上、時間も、選択余地もあまりないので、いつもファーストフードやサービスエリアの弁当ばかりです。でも、食べっぷりがよくて、カップラーメンでもがつがつと食べ終わった後、満足げに「とても美味しい」と。画面を通して素朴な幸福感を感じられると視聴者からの評判が上々です。

この一年間、このトラック運転手のアカウントはbilibiliだけでも86.1万人のフォロワーを獲得し、ほぼ毎日アップしている動画の再生回数は平均50万回以上です。

中国ではグルメ動画といえば、熟練した料理人がきれいなスタジオで貴重な食材を美しく調理する動画に人気があったのですが、庶民の視聴者からは「実際にこんなの食べられない」と、だんだん人気がなくなってきました。そこで、このトラック運転手のような、台本もない、専門機材もない、普通の人の生活と仕事を記録した素人の動画に人気が集まるようになってきました。人気になった一番の理由は「簡単にハッピーな気持ちになれるから」だそうです。

都市部のサラリーマンやOLたちはこういう飾りのない癒しを求めているかもしれないですね。

文／Elly