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中国で人気の「サンプル経済」とは?2022年6月15日号

ここ2年ほど、中国では、小さな商品サンプルが爆発的な人気を集めています。「サンプル経済」という名称まで生まれました。サンプルは中国語では「小样(シァォヤン)」といいます。1950年代、アメリカの化粧品メーカー「エスティ ローダー」が初めて、無料のサンプルを配布する形でブランドのPRを行いました。このスタイルは今や化粧品業界の定番の販促手法となりました。

中国では、サンプルの配布手法は主に三つあります。一つはブランドのオンライン店舗に入会申請すれば、サンプルを送料だけでもらえたり、ポイント交換でもらうことができます。この手法はブランドにとって、新規顧客の獲得とデータによる潜在的な顧客層を育てることができます。二つ目の手法は、化粧品を買うと、たくさんのサンプルがついてくるというもの。購入商品より多い場合もあります。消費者にとってよりお得感があり、ブランドにとっては価格競争から脱却することもできます。三つ目はサンプルがもらえる自動販売機の登場です。デパートや街に設置された自動販売機のQRコードをスキャンすれば化粧品のサンプルがもらえます。いつも長蛇の列ができています。

ブランドからみると、サンプルの配布は広告費としては低い部類に入るようです。何より、実際に試してもらうことができるというメリットがあります。消費者からみると、サンプルは自分に合う化粧品を見つけるには、最も安上がりで効果的です。また、使いきれる、持ち運びに便利な点も魅力的です。

「サンプル経済」は若者の消費理念に順応し、今後も拡大していくとみられています。

 

文/Elly

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