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メルマガ2023.05.26

中国で話題の「淄博焼烤」はインバウンド施策のヒントになる? 2023年5月26日号

今年の3月から、中国SNSで「淄博焼烤(シハクシャオカオ)」という言葉がバズっています。「淄博」は山東省の三線都市である淄博(シハク)市で、戦国時代には「斉国」の首都でした。「焼烤(シャオカオ)」とはバーベキューのことです。中国では地域によって、様々なバーベキュースタイルがあります。「淄博焼烤」の特徴は、店側が9割程度焼いた串を提供し、最後の1割は客自身がテーブルで焼くというスタイルです。もう一つの特徴としては、小さいクレープのようなものとネギと肉を一緒に巻いて食べることが主流となっています。

画像:huxiu.comより引用                                              画像:Weiboより引用

 

中国メディアの報道によると、今年3月だけで同市を訪れた観光客が延べ480万人以上で、前年同期比134%増となり、観光収入も60%増となりました。

実は、これはすべて淄博市政府の戦略によるものでした。今年の2月から淄博市政府が2,000万人のフォロワーを持つ有名なインフルエンサーを招待し、淄博バーベキューを動画とライブ配信で紹介しました。このインフルエンサーの継続的な発信のおかげで、まずは市外の大学生たちに広まり、大学生の投稿によってさらにバズり、ネット全体でブームを巻き起こしました。この状況を受け、淄博市政府も素早く動き出し、お店や関連企業を巻き込んで、「バーベキューフェスティバル」、「列車の乗車券を提示すれば観光地の入場料が無料」、「市外の大学生ならホテルの宿泊料は半額」など優遇施策と特典を打ち出しました。淄博市のこうした努力と心のこもった「おもてなし」によってバーベキュー経済をさらに盛り上げ、全国から観光客が訪れるようになりました。

画像:DT財経より引用

 

中国の三線都市で成功したことは、きっと日本の地方都市でも実現できるでしょう。中国人に“刺さる”モノやコトのリサーチやバズらせ方、そして街全体での受け入れ方などを研究すれば“インバウンド爆集客”も夢ではありません。

 

文/Elly

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