メルマガ2022.06.08
中国のPCR検査ボックスはどんなもの?2022年6月8日号
中国では新型コロナに対し、依然として厳しい防疫戦略を取られています。戦略の一つはPCR検査の常態化です。都市部では、徒歩15分圏内に一つのPCR検査所を設置するようにと政府から呼びかけられています。こうして生まれたのは小屋式「PCR検査ボックス」です。これまでの仮設テントと違って、検査中に「ゼロ接触」が保たれ、医療従事者により良い仕事環境を提供することもできます。
6月からロックダウンを解除した上海では、PCR検査ボックスはすでに1万8,000個が設置、約1,400人に一つのPCR検査ボックスがあることになります。この小さいボックスの中に、エアコン、体温測定、紫外線消毒、QRコードスキャン、音声対話機、液晶ディスプレイなどの機能が備えられており、より安全かつ効率よくPCR検査ができます。
設置価格は2万元(約40万円)から5万元(約100万円)の間です。このビジネスチャンスを掴むために、中国大手電機メーカーHaier (ハイアール)やMidea Group(美的集團)をはじめ、中小企業まで多くの企業が参入しました。特に、Midea GroupのPCR検査ボックスはコロナ後も利用できるように設計されています。例えば、血圧や血糖値検査ができる「健康小屋」、無人販売の「スマートコンビニ」など市民の便利ワークステーションとして再利用できるようになっています。
いよいよ6月から、日本では2年2カ月ぶりに外国人旅行者の入国が解禁されましたが、中国ではまだ厳しい状態にあり、海外旅行復活の見通しは立っておりません。インバウンド復活まではもう少し時間がかかりそうです。
文/Elly