中国では、日本の十五夜に当たる「中秋節」（今年は9月10日）に一家だんらんで月餅を食べる風習があります。毎年、月餅市場の競争も激しく、市場にはメタバースまで広がっていました。昨年、Alibabaが限定50個で抽選販売していた1個1元のNFT月餅が5万元（約100万円）に値上がりしています。

しかし、ネットで話題になっているのは「ブロックチェーン空気月餅」という月餅ギフトセットの写真です。パッケージには「糖類０・カロリー０・脂質０」「満腹感なし」「私は騙されてるかも？」と商品の特長がデザインされています。セットは4つの月餅の箱が入っていますが、中身は空っぽ、月餅はありません。

このギフトセットは32万フォロワーを持つ「人類関懐計画」という微博のブロガーが発行したもので、NFTではなく、実際に作られた商品です。サンプルの写真がネットでヒットし、1週間で完売しました。「これこそメタバースのパフォーマンスアートだ。」「これは仮想通貨より価値があると思います。」「メタバースで食べるつもりです。」などのコメントが寄せられています。

他には、実物の月餅を買うと「NFT月餅」がもらえるという新しいマーケティング手法を打ち出す食品会社もありました。若者たちにもっと伝統文化に注目させるために、いろいろな創意工夫をしていますね。

文／Elly