中国最新情報2020.05.20
中国でKOLが正式に職業として認定?! 2020年5月20日号
中国の人的資源・社会保障部(省)は近日新たに10種類の職業を追加認定する予定と発表しました。新しい10種の職業とは、(1)ブロックチェーンプロジェクト技術者、(2)コミュニティネットワーク責任者、(3)インターネットマーケティング担当者、(4)情報セキュリティテスター、(5)ブロックチェーン応用操作員、(6)PCR検査員、(7)オンライン学習サービス担当者、(8)コミュニティ健康アシスタント、(9)高齢者健康評価士、(10)付加製造(3Dプリント)設備操作員です。
その中でも、インターネットマーケティング担当者の中に、ライブ配信販売員の職種が設定されました。中国ネット用語では「帯貨網紅(ダイフォーワンホン)」と呼ばれています。帯貨(ダイフォー)とは影響力のある人間による商品の販促、網紅(ワンホン)とはインターネット上の人気者という意味になります。仕事の内容は主に、ネットを通して行うライブ配信またはショート動画による商品への注目から商品の購入への転換率を向上させることです。日本で言うブロガーやユーチューバ―のような「インフルエンサー」たちによる商品販促のことです。
早速、浙江省義烏市人力社会保障局から同市19名のライブコマースキャスターに「ライブコマース特別職業能力証書」が授与されました。この19人は中国国内初の専門「帯貨網紅(ダイフォーワンホン)」となりました。
中国では新型コロナの影響で「非接触ショッピング」が注目されています。その中心にあるライブコマースは各業界が参入しています。アリババの統計によると、百貨店のクラウドウィンドウショッピングから、農民の農産物直接販売、裁判官の司法で没収した不良債権(自動車や不動産)販売まで100以上の職種が「淘宝Taobao」でライブコマースを行っています。
同時に、関連人材の不足も注目されています。中国最大手の人材会社「智聯招聘」より発表された「2020年ライブコマース産業人材報告」によると、新型コロナの影響で、自粛後企業再開からの一ヶ月間、企業全体の求人数は減少したが、ライブコマース業界の人材需要は激増しています。ライブコマース関連のポスト数は前年より83.95%上昇し、求人数は前年より132.55%も上昇しました。
中国ではライブコマースはECだけでなく、ブランドや業者にとっても標準装備になりつつあります。