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メルマガ2021.03.17

中国の消費者権利デー 3.15とは  2021年3月17日号

中国では毎年3月15日は「国際消費者権利デー」として中国国営中央テレビ(CCTV)が消費者の権利を擁護する特番「315晩会」が放送されます。「315晩会」は1991年に始まった長寿番組です。この番組は覆面調査員が半年以上長期に渡って潜入取材を行い、消費者を保護する目的で、企業の製品やサービスの問題点を暴露する内容となっています。

中国消費者協会が2020年に全国で受理したクレームのカテゴリランキングを発表しました。一番クレームが多かったのは食品、続いて自動車、スマホアプリ、アパレル、医療機器、家具などとなっています。このランキングは今年の「315晩会」にも反映されました。例えば、河北省にある羊牧場の羊は塩酸ラクトパミンという家畜の増体重及び赤身肉割合向上のための飼料添加物(中国では2002年から禁止されています)を使用していたこと、ライブコマース業界の誇大広告やサクラによる売上水増し問題などが取り上げられました。

また、中国企業だけではなく、外国企業に対しても容赦なく暴きます。以前にはナイキ、マクドナルド、フォルクスワーゲン、スターバックスなどの欧米企業、日本企業では日産、ニコン、吉野家、無印良品などが批判されてきました。今年は米フォード・モーター社の「フォーカス」を含めた複数のモデルで、ギアボックスが正常に機能しないと顧客から苦情が出ているにも関わらず、問題解決しようとしないことが指摘されました。

ネットユーザー10億人の中国では、炎上リスクも桁違いです。よって、番組放送直後または放送中に、報道された企業が謝罪声明や解決文を出すのが一般的となってきました。

それにしても、影響力のある特番ですね。日本企業の担当者はドキドキしながら毎年この番組を視聴することでしょう。このようにして中国消費市場が少しずつ良くなり、中国製品が世界に認められるべく、安心安全への改善の一助となっているようです。

 

文/Elly

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